気候変動は万年のオーダーで起きている。寒冷化が進むと動物もホモ・サピエンスは温暖な地方へ移動し、温暖化が進むと北にも活動範囲が広くなる。縄文時代には温暖で、海水面も高かった。東京あたりは海中で、もちろん人は住んでいなかった。
農業が進んだことでホモ・サピエンスたちは定住するようになり、この数千年の間に国が出来上がった。温暖化が進み海に沈む国や砂漠化が進む国に住む人達はその土地に居続けるためにコストを払わなければならない。また今後、間氷期がおわり寒冷期に入ると北国の人たちもその土地に居続けるためにコストを払わなければならない。
今現在、気候変動で問題になっていることは、国というものに縛られてしまったことで起きているとも言える。
ホッキョクグマは変動する気候の中、北へ行ったり、ヒグマと交雑しながら生存してきた。ホモ・サピエンスも今までそうしてきたが、文明が起き、生活の基盤が土地・国に縛られてしまったがゆえの問題の気がする。ワリを食ってしまった国は単独で生きながらえるのか。そもそもこの文明が数万年規模であり続けられるのかという懸念もあるが。
気候変動と言ってもたかだか100年程度のデータしか持っていない人類に対したことはできないとは思うが、国々が危機に直面したときに助け合うことができるのか心配。