2024年11月20日水曜日

アンバランスとバランス接続・オーディオの話

 しばらく前にDENONのCDプレーヤのトレーが動かなくなって、ちょっと調べたところトレーを動かすプーリーゴムが劣化しているらしいとわかって簡単に修理できた。その際に聞き慣れない言葉、バランス接続というのが引っかかってきた。何かと調べたら、今までの普通の3曲ステレオ端子はアンバランスと言い、左右チャンネルを独立の対線で流すのをバランス接続というのだそうだ。へーとちょっと感心したが、果たしてたかだか100kHz以下の電気信号でそんなことが気になるほどになるかなぁと疑問も感じた。大体ンピュータなどは1GHzレベルでコ基盤レベルでグランドをあらかた共有しているにも関わらず、クロストークなどは多少問題になりつつもちゃんと動作している。デジタルだからどうにかなっているというのも確かだが。

多くの場合、配線でのトラブルはコネクターの部分がほとんどだ。同軸からマイクロストリップラインに変換するのなんか、アンテナと言っていいくらいだし。コモンモード放射アンテナだと言ってた静岡大の教授もいたしね。で、この規格のうちの一つのソニーのプラグの構造を見たら、驚いた。先っぽからL+, R+, L-, R-となっていて完全にごちゃ混ぜ状態だ。なぜ、L+, L-, R+, R-みたいにしなかったかね。

まず、この手の話で多くの人が間違えているのは、電気信号というものが電流・電子が運んでいるということだ。これは間違い。大学レベルの電磁気学を学んだものなら知っているマックスウェルの偏微分方程式から帰結されるのは、電気信号の実態は電磁波で、この場合(オーディオ)は静電場現象なので電場が電気信号を運んでいる。で、この電場がどこにあるかというと、導線と導線の間(結構外側にも)にある。だからRとLで分離したいというときにこれらの信号線を別々のペアにすることはいいことだ。しかしL+とL-の信号はこれらのペア電線の間に信号が流れているということに注意すれば、コネクターでL+とL-の間にR+が混じってしまったら、せっかく分離していたのにコネクターでごっちゃにして台無しにしてしまっていることは簡単に理解出来よう。

まあ、たかだか可聴域の電気信号の周波数なら1mくらいの範囲ならあっという間に定常状態に陥ってしまうだろうから、どんなふうに繋いでも、マックスウェル方程式は線形だからR,Lともに独立に状態を保てるのでそれほどひどい音にはならないはず。

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